美輪の思い出のシャンソン喫茶 銀巴里

シャンソン喫茶 銀巴里
東京都中央区銀座七丁目9番11号

1951年(昭和26年)日本初のシャンソン喫茶店が開店。
1990年(平成2年)全国から閉店を惜しむファンが集い、銀巴里は閉店します。

この時、銀巴里の名前が記された食器類がすべてファンらが持ち帰っていきます。
現在この場所には、このような石碑が立てられています。
美輪がここの事をこう言います。
「ここで私が40年間お世話になり育ててくれた『銀巴里』の入り口です。文化の発信地で、ここに川端康成や三島由紀夫・江戸川乱歩らの多くの文化人が全員ここへ来てたんですもの。本当はここにあまり寄りたくないの、涙が出ちゃうから。」

プロ歌手としてスタート
長崎から歌手を目指し上京。
音楽学校に入学した頃、銀座七丁目にシャンソン喫茶店があることを耳にします。

そして、プロの歌手として初めてステージに上がったのが、ここ「銀巴里」でした。
ここで多くの文化人と交流を深めていくのです。
そして、1971年、ここでの最後のステージを飾ります。

ステージ歌手
〇 シャンソン歌手・推理作家:戸川昌子(とだまさこ、東京都出身、東京都立千歳丘高校 中退、1931年3月23日~2016年4月26日、享年85歳)
「銀巴里」の素人飛び入り企画に参加した戸川がアルトでシャンソンを歌いはじめると、この歌声に耳を傾け将来性を感じた美輪明宏は、バンドマスターにレギュラーに加えるよう働きをします。ここから戸川のシャンソン歌手がスタートします。

その後、戸川はステージの合間に楽屋でミステリー長編小説「大いなる幻影」(老いた独身女性ばかりが住む女子アパートが舞台。全ての部屋を自由に開けることのできるマスター・キーを巡って最初はちょっとした悪戯から始まって次第に深刻な事件が引き起こされていく)を書き上げます。
1962年、第8回 江戸川乱歩賞を受賞。

〇 歌手:クミコ(本名:高橋久美子、茨城県水戸市出身、早稲田大学卒、血液型B型、所属事務所はプエルタ・デル・ソル、1954年9月26日~ )
早稲田大学時代、歌に目覚めこの路線を走りだす。1982年6月、シャンソンのライブハウスここでのオーデションに自身のオリジナルで参加し見事に合格を果たし、ここから本格的にシャンソンの勉強に励むようになります。

〇 シャンソン歌手・金子由香利(かねこゆかり、東京都出身、1981年3月~1990年12月、ここのステージに立つ。1987年、紅白歌合戦初出場、歌曲『おお我人生』)

〇 シャンソン歌手:古賀力(こがつとむ、長崎県佐世保市出身、青山学院大学卒、1934年~2018年5月26日、享年84歳)
シャンソン音楽の魅力にとりつかれ1955年に神保町に開店したシャンソン喫茶店「ジロー」を知り、その3年後、ここでシャンソン歌手としてデビューを果たします。
その後、「銀巴里」「日劇ミュージックホール」で活躍後、

1968年、港区赤坂3-21-12 桃源社ビル2F
 一ツ木通りにシャンソン「ブン」を開店します。

芳賀千勢子(古賀力の妻、シャンソン歌手、銀巴里のステージには立つことはありませんでしたが、幾度も来店しておりました)

想い出
私もこの店「ブン」には何度も足を運びました。
奥様の芳賀千勢子のCD「二つの愛」の中に藤峰岳さんのメッセージがこう書かれてあります。

「とても美しいアルバム、シャンソンのファンのみならずとも愛聴盤のひとつと言えるものができあがった。静かで地味ながら力強く、しかも全編通して透明感あふれる芳賀千勢子の世界である。このアルバムにはお仕着せのレパートリーはひとつもない。

レオ・フェレや日本のうたも、日々唄いつづけたものである。選曲の素晴らしさ、そして古賀力の訳詞のきめこまやかさが、このアルバムを一層魅きたてている。さらに芳賀千勢子は個々の作品に一定の距離を置き、旋律に淡々と言葉をはわせていく。決して大仰な表現をしない。
今はもう引退した女性歌手ミッシェル・アルノーを彷彿させる。幾度も繰り返して愛聴できるこのようなアルバムを手にした人は、幸せである。

これからも、彼女の唄声に魅せられて、赤坂”ブン”に通うことになるだろう。
------- 藤峰 岳  -------

このCDアルバムを手にしたのは1994年11月18日PM20:00頃です。
中央に奥様(千勢子)の直筆のサインが書かれてあります。

いつも、小生がこの店に足を運ぶと、
「あ!あおもりの方がお見えになった」って、おっしゃってくださいました。
そして、7年前の2011年シャンソン「ブン」は閉店。
今、思い起こすとあの頃が懐かしすぎます。
こうして、このブログを書けるとは思ってもいませんでした。

つづいて、
 書道「紅華村塾」
書の世界を思いっきり感じてください

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