染め絵手ぬぐいで遊び心楽しむ ふじ屋 

染絵手ぬぐい専門店「ふじ屋」
東京都台東区浅草2-2-15
私と友が訪れた先は染め絵専門店でした。

手ぬぐいの歴史
ここでほんのちょっと、手ぬぐいの歴史について触れてみます。
710年(奈良時代)から使われていたようで、主に神仏の像や飾り物を清掃するための雑巾のように用いられていたようです。

そのため染め絵は特に必要ありませんでした。
では、いつ頃から何のために染め絵されたのでしょう。
1603年(江戸時代)頃、実用からお洒落な小物に利用されたり、絵や文字を描いたりしたものを飾って楽しむるようになっていきました。

日本の伝統技法「注染(ちゅうせん)」
1946年(昭和21年)戦後まもなく「ふじ屋」は浅草寺の隣の通りに創業いたします。

ここの手ぬぐいは染め絵に使う染料は「注染」といい日本の染色技法の一つで、主に手ぬぐいに使われています。その技法は、模様を塗り付けない布地側に糊を付け、それ以外の部分に色を付けていきます。

染料は布地の裏側にまで抜けるので裏表なく柄が鮮やかで色褪せにくいのが特徴になります。すべてが手作業でおこなわれております。

オリジナル図柄
ここで私がこう言います。
「ここの店の手ぬぐいの絵柄がとにかく綺麗なうえ種類も豊富なんです。」

この事にご主人がこう言います。
「手ぬぐいはタオルのように使うだけでなく、飾って楽しむという文化も昔からありました。おしゃれと実用を兼ねた粋な手ぬぐいは、オリジナルの図柄が300種以上も取り揃えております。」
「縁起の良い図柄も多く、大きな目の鯛の『めでたい』、六つのひょうたんが描かれた無病との語呂合わせの『六瓢息災(無病息災)』、など、美しく縁起の良い手ぬぐいは、噺家や芸人の方々にも愛用されていますよ」

縁起物の良さ
これに私がこう付け加えます。
「やっぱり、日常で生活する中での縁起物ですよね。そういう物を常に身に付けるって、すごくいいと思います。何故かと言うと、何か、気持ちがネガティブになっても、身に着けているもの見て『ああ、めでたい』ってなるでしょ。」
「そういった中でね、やっぱり情緒を大切にして心をコントロールすることが大事です。文化って何かを持っています」

柄の意味
するとご主人がこう言います。
「店内にはかなりの種類の手ぬぐいが展示されております。一旦、店内に入ると誰しもが迷ってしまうほどたくさんあります。」
「江戸風の画風の物や現代風の物、動物が描かれていたりとか様々ございますので、手に取った手ぬぐいの柄を見て、その意味を感じ取ってみてください。そうすれば、どこの部屋にどうレイアウトしたら良いのか思い浮かぶはずです。」

「例えばですよ。”海老”の上に”寿”と書かれていた場合”寿海老(ことぶきえび)”となります。これは歌舞伎役者の市川海老蔵の替紋には寿海老があります。海老そのものが漢字の寿として描かれています。」

「そして、手ぬぐいいっぱいに描かれている”赤鯛”こちらは”めでたい”となるわけです。それぞれに隠された意味を思い浮かべ楽しんでみてはいかがでしょうか」

その他の小物品
〇除災消厄 消し札
柘植(ツゲ)の木に正絹の飾り紐。表には平成中村座ニューヨーク公演の記念文字。裏はお好みで名入れ(江戸文字)

〇大入クリアーファイル(A5用)
このファイルは平成中村座のニューヨーク公演の成功を願って作成されたものです。

〇ミニ千社札シール
アメリカに多くある名前を漢字で書き替えてあります。

〇ミニチュア掛け軸(ふじ屋オリジナル)
縦長の写真も横長の写真も自在に飾れます。

〇藍染抜染綿製 合財袋(がっさいぶくろ)
江戸のお洒落は見えないところに拘るもの。この合財袋は身の回りのこまごました物を入れて持ち歩くものです。明治時代によく流行しました。袋の裏生地がそれぞれ違うのも、また嬉しいものです。

以上、5品の小物をご紹介しましたが、他にも御座いますので、手ぬぐいだけではなく、小物でも、さらに楽しむ事ができますよ。

つづいて、
浅草 準喫茶「シルクロード」
今も集う松竹歌劇団メンバーたち

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